ラブコメを書いてしまいました。

あ、ありのまま(ry
SFのつもりでした。ベレー帽ですこんばんわ。

今回は8891文字なんで最初のコンビニの3分の1っきゃありません。文庫本で12ページくらいです。何でか分かりませんけどどんどん短くなる傾向にあります。上手くなったのかネタが足りないのかはちょっと分かりません。今回からTIPSというか注釈をつけて小ネタは本文の流れから外しました。サウンドノベル街や攻殻の欄外の薀蓄みたいな感じです。ですからどのタイミングで読んでも構いません。



いちごタルトが食べれない



 今、教室を目指して登校している僕は、彼女居ない暦=年齢のごく一般的な中学2年生です。名前は*青井光一。教室に入った僕は、二人の女子と目が合ってしまいました。
「あぅ、お、おはよう。真理ちゃん、奈美ちゃん。」
「…あ〜。おはよ〜ございま〜す。」ゆっくりしたテンポで返事した子が*鷹野奈美ちゃん。大人しいと言うかぼんやりした女の子で「あ〜。うんうん。」が口癖だけど大抵会話が噛み合ってないのが特徴の天然ドジっ子キャラです。もう一人の挨拶を無視した女の子が隣のクラスの*長坂真理ちゃんで、僕とは一応幼馴染です。一応と言うのは何をした訳でもないのに、もう話し掛けないでと言われている為で、中学に入った頃には彼女はどんどん綺麗になって逆に僕はキモくなったのでそういう事だろうと思っています。そしてその真理ちゃんの背後に立っている男子が*雨宮衛くん。実のところ彼があめみやなのか、あまみやなのかを僕は知りません。最近転校してきたばかりなのですけどみんな好き勝手に呼んでいて彼もどっちでも同じと訂正しないからです。
「おはよう雨宮くん。」
「…ああ。」雨宮君は僕の挨拶にぶっきらぼうに答えました。すると背後に雨宮くんが立っていたことを知らなかった真理ちゃんは驚いて振り返りました。
「ちょ!あーびっくりした!ちょっと脅かさないでよ!」
「ああ、すまん。いろいろと失敗だった。次は上手くやる。」
「…何か噂通り変わった人なのね。貴方は、ふーん。」長坂さんは自分のクラスに戻りました。
 二人だけになったので僕は雨宮くんと話をしました。先程の話になると雨宮君は
「ん?ああ、死角に入ってれば彼女が振り向いた時、ぶつかると思った。現に君さえ声を掛けなければぶつかっていた筈だ。」
「え〜と?あ、あのどういう意味ですか?」
「ん?昔から主人公とヒロインの出会いのきっかけはぶつかるイベントだろ?つまりそーいうことだぜ。」彼はいっちゃってる人でした。もとい個性のある人でした。ライトノベル*とかでありがちな常識の無い変人天才キャラ、古典で言うところのホームズキャラといえば少しは良く聞こえるでしょうか。
「え〜と、という事はひょっとして雨宮くんは真理ちゃんの事が好きなのかな?」
「そうだよ。*一目惚れ。」雨宮くんは堂々と言ってのけました。
「う〜ん、そりゃ美人だから好きになるのは分かりますけど…美人過ぎて彼女は無理なんじゃないかと思いますよ。」正直な話、雨宮くんはキモメンの部類だと思います。いえ、僕も縛られていた子猫を助けようとしたら動物虐待で誤認逮捕された過去があるので顔の事は言いたくないんですけど。
「あのな、血の繋がった兄妹でなければ攻略は可能なんだぜ。勿論シナリオが用意されてないような端役は駄目だけどな。真理は間違いなくメインヒロインの一人。学園のアイドルだからな。」
「今時、学園のアイドルって言い回しはちょっと古いと思いますけど…。」
「古いんじゃなくて王道と言って欲しいね。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、品行方正、これで髪が赤かったら完璧だったな。」
「既に話に付いていけないんですけど…。」
「それよりもどうやら君も真理狙いらしいが諦めた方が良いぜ。」
「真理ちゃんを呼び捨てにするのやめて下さい。あと僕はただの幼馴染です。」
「じゃあ聞くけど君の家と真理の家は隣同士で窓から行き来できるかい?」「いいえ。」
「じゃあ聞くけど毎朝ねぼすけの君を起こしに来てくれるかい?」「いいえ。」
「じゃあ聞くけど小さい時にいじめっ子から守ったとか結婚の約束とかそーゆーエピソードはあったかい?」「いいえ。」
「ほら、残念だけど君は幼馴染じゃなくて同じ学校の生徒Aだよ。結論を言えばフラグが立ってないね。」
「フラグって?」どうやら雨宮くんはかなりのヲタクのようです。それも超えちゃいけないラインを幾つも通り過ぎてるというか。
「え?そっから説明?君は*エロゲーとかギャルゲーとかやらないのか?」
「やらないです…。」
「フラグを立てるって言うのは必要条件を満たすって言えばいいのかな?ラスボス(藤○詩織)を倒すにはかなりステータスをあげないと駄目って事だ。他にも何々のイベントを見ているとか重要な選択肢とかの要素もあるけどね。」
「…分かったような分からないような。」取り敢えず彼とは余り関わらない方が良さそうだと思いましたので、そこで話はおしまいにしました。

「光一、一緒に帰ろうじゃないか。」放課後、雨宮くんに声を掛けられてしまいました。
「あ…。うん、雨宮くんは何処に住んでるんですか?」
「街外れに怪しい洋館があるだろ?あそこ。」
「え、あそこは人が住めるような家じゃ――あ、いや歴史のある建物だね。」殆ど廃墟です。
「条件に合うのがあそこしかなくってな。」「条件って?」
「温泉付きの寮まるごととか、とにかく*居候の女の子が何人増えても大丈夫な所だ。主人公が母子家庭のヒロインの家に居候ってのもありなんだぜ。」
「…御家族は?」「俺一人だよ。両親は海外赴任てのが望ましいけど実際は埼玉に居るよ。」
「だから早く*メイドを雇いたいんだが中々見つからない。」

――僕は面白そうだが関わらないようにした。
――僕は面白そうなので一緒に帰ることにした。 ←

「ところで何で僕と帰ろうと思ったんですか?」
「どうやら君は僕のワトソン役のようだからだ。あれワトスンだったっけ?ま、どっちでも同じか。要するに君は人畜無害の脇役だ。ライバルにはならない。」
「…まあ確かに僕が脇役なのは今までの人生で何となく分かってるから否定はしませんけど、雨宮くんが主役というのはどうもなあ。なんか凄い能力でもあるんですか?」
「それが何にもないんだぜ。一応いつでも世界の敵と闘えるよう準備はしてたんだけどな。」「…はあ、それはご苦労様です。」
「だけど待てど暮らせど*機関から連絡もねーし、力の*覚醒もしねーしでな。*殺人事件にすら巻き込まれないんだぜ?」
「…普通そうですよ。」勿論、子供の頃は僕だってキン肉ドライバーとか波紋の修行とかしたことありますけど…。
「で、俺は気付いたね。俺は世界を救う主人公なんかじゃないんだって。」なんだ意外とまともな思考が出来るんじゃないかと見直しました。
「だから俺はギャルゲーの主人公なんだ!」
「ちょ、どうしてそんな結論になるんですか!」
「ところで俺の前髪を見てくれ、こいつをどう思う?」「凄く…長いです…。」
「前髪で目が隠れてるのは主人公って決まっているんだぜ。」
「言われてみれば、謎の転校生である。中学生なのに一人暮らし。ヒロインとの第一印象は最悪。…成る程確かに。」
「ここまでは完璧だろ。あとは順番にイベントをこなしていけば大体2週間でクリアだな。」
「現実はゲームみたいには行きませんよ。セーブもリセットもないんですから。」
「…あるよ。ときおり既視感(デジャブ)ってあるだろ?どっかでこのシーンみたことあるっていうあれは、誰かがリセットを押したからやり直してるんだ。」
「デジャブは確かに不思議な現象だけれど、その誰かって誰ですか?」
「この世に一人だけいる主人公がリセットしたんだろうさ。自分が出来ないからって他人も出来ないとは限らないだろ?」その言葉に何となく説得力と一抹の恐怖を感じた僕は
「雨宮くんは主人公なんですか?」と尋ねてみました。

「そうだよ。」雨宮くんは静かに答えました。



 雨宮くんの家の前で別れた後、僕は不意に声を掛けられました。
「あ〜、あのちょっと〜付き合って欲しいんだけど〜駄目かな?」見るとそれは奈美ちゃんでした。
「えっと〜返事が〜欲しいんだけど〜?」顔を真っ赤にしています。
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:ハ、ハイ。喜んで。」
 二人で普通のメイド喫茶に入りました。入り口には春季限定いちごタルトあります。と書いてありました。
「わたしは〜いちごショート。」

――僕はいちごショートを頼んだ。
――僕はいちごタルトを頼んだ。 ←

 僕は日に十数個という売り切れ必死、あったらラッキーと言う評判のいちごタルトを頼みました。幸い最後の一個だったみたいです。
「せっかくだからいちごタルトにすればいいのに。」
「わたしは〜王道が好きだから〜アイスならバニラだし〜戦隊なら赤い人が好き〜。」
「王道が好きなんだ。そ、そうなんだー。」
 その後はお互い緊張して一言も喋れないままケーキを食べ終えてしまいました。
「えっとね〜。わたしね〜雨宮くんの事なんだけど〜何だか好きになっちゃったみたいなの〜。」
「あ、そ、そうなんだー…。」キモメンなのに調子に乗った僕が悪う御座いました。
「え、え〜と彼はかなり変わった人物だけど…?」「あー。うんうん知ってるよ〜。」
「顔もそんなに格好良くないというかむしろ格好悪いと思うけど…?」僻みじゃないんですが、いえ僻みなんですが聞かずには居られませんでした。
「あ〜。うんうん。でね〜わたしの好きなエロゲーの主人公みたいなの〜。髪型とか。」
「そ、そーなんだ。君も変わった娘だね。…ははは。」
「光一くんは〜雨宮くんと親友みたいだから〜色々と取り持って貰えないかな〜って。」ちょっと複雑な気持ちもありましたが、女の子の頼みを断る理由は特に無いので引き受けることにしました。



 光一と別れた後、俺は用事を思い出して街へ戻った。するとメイド喫茶から真理が出てくるのが見えた。偶然遭遇イベントが起きたと思った俺はデートに誘うことにした。そこで何て声を掛けるか迷った。選択肢によってはバッドエンドになりかねない重要分岐だからだ。失敗は許されない。

――俺は「今度の休みに映画でも見ないか?」と誘った。
――俺は「俺と付き合ってくれないか?」と誘った。 ←
――俺は「やらないか。」と誘った。 



 私、長坂真理の最近の日課はメイド喫茶に行くことである。
「すみません。ついさっき売り切れてしまいました。」
「…はあ、じゃあ、いちごショートでいいです。」やはり人気商品だけあって今日も春季限定いちごタルトは食べられなかった。まだ一度も食べることが出来ないで居る。私は新製品とか限定商品とか変り種が大好きだ。聖闘士星矢で言えば一輝が好き。奈美に言わせれば邪道と言うだろうけどこればっかりは趣味嗜好だからしょうがない。いちごショートは途中で飽きてしまって残した。
 消沈した気持ちで店を出ると例の隣のクラスの転校生が立っていた。名前は確かアメリヤと呼ばれていた気がする。洋館に住んでいるというから帰国子女なのかもしれない。きっとそうに違いない。何にしても彼に良い印象は持っていない。
「君に話がある。」声を掛けられてしまった。経験上、話があるに続く言葉は付き合ってくれと決まっている。

――私はいちごタルトが食べれなくて不機嫌なので、どんな誘い文句でも丁重に断ることにした。
――私はいちごタルトが食べれなくて不機嫌なので、どんな誘い文句でも曖昧に断ることにした。
――私はいちごタルトが食べれなくて不機嫌なので、どんな誘い文句でも完膚なきまでに断ることにした。 ←

「俺と付き合ってくれないか?」
「お気持ちは嬉しいけど…だが断る!出来ればもう話し掛けないで下さい。」



「雨宮くん昨日、真理ちゃんに告白したんだって?」僕は奈美ちゃん経由で聞いて、女の子とは秘密を守れない生き物だと知りました。
「…ん?選択をミスったかな?いやあそこはあれで良かったよな?」雨宮くんは考え事で返事が上の空です。
「ねえ、僕が思うに真理ちゃんは難しいですよ。諦めて奈美ちゃんなんかどうですか?」
「ん?ああ、あのいつも真理と一緒にいる*眼鏡っ娘か。確かに彼女の方がEASYかもしれないな。」
「なんなら僕が間に入ってセッティングしてあげますよ。」
「おお、君は大分エロゲの悪友っぽくなってきたな。…だが断る。」
「俺は初プレイ時は正ヒロインの*トゥルーエンドからって決めている。*ハーレムエンドはその後だ。」

 放課後、僕と奈美ちゃんは昨日のメイド喫茶に行きました。
「わたしはイチゴショート。」
「僕はせっかくだからいちごタルトを。」
「あ〜、そういえば真理ちゃんがそれ食べてみたいって不機嫌だったわ〜。いちごショートは二度と食べたくないとか言ってた〜。」
「ふ〜ん?えっとそれでさ。雨宮くんは奈美ちゃんの事は嫌いって訳じゃないみたいだけど、とにかく真理ちゃん狙いみたいなんだ。」
「あ〜うんうん。それでね〜女の勘なんだけど〜真理ちゃんも雨宮くんのこと好きになりそうな気がするの〜。」
「僕はそれはないと思うけど。」
「あの二人は似た者同士だから〜きっかけ次第で〜くっついちゃうと思う〜。」
「すると雨宮くんと奈美ちゃんをくっつけるだけでなく、雨宮くんと真理ちゃんがくっつかない様な工作もしといた方が良いのかな。」
「そうして貰えると〜助かる〜。ありがと〜光一くん。」奈美ちゃんに手をギュッと握られて思わず赤くなってしまった。そのまま奈美ちゃんを見つめていたら奈美ちゃんは慌てて手を離しました。
…何だか僕はありがちなラブコメみたいな状況に堕ちてしまったようです。



 僕は雨宮くんに電話しました。
「光一か。どうした。」
「実は僕もエロゲーっていうのやってみたいんですけど、貸して貰えませんか?」
「いいぜ。ジャンルはどんなのが良い?」
「へ?ジャンル?RPGとかSTGとかですか?」
「あ〜いやそーいう括りもあるけどそーじゃなくて姫様調教の鬼畜系とか、見た目上は18歳以下しか出ないゲームとか泣きゲーとか。」
「よく分かりませんね。エロゲーで泣いてどうするんですか?」
「いやそれは俺も知らんけど。」
「とにかく男の僕でも引いちゃうような凄いゲームを希望します。」
「変わった注文だなぁ。まーいいぜ。お前が必ずドン引きするの貸してやるよ。」
「有り難う御座います。それじゃそれメイド喫茶まで持ってきて貰えますか?17時30分に。」
「分かった。」
 僕は次に奈美ちゃんに電話しました。
「あ、奈美ちゃん?こっちは上手く行ったよ。それじゃ打ち合わせ通り真理ちゃんを16時30分くらいに呼び出して貰えるかな?」
「は〜い。越後屋。お主も悪よのぅ。」
 雨宮くんとの約束の時間が近付いたので再び電話です。
「あ、ごめんさっきの件なんだけど急用で行けなくなっちゃったんで、代わりに真理ちゃんが行くからゲームを渡しといて貰えますか。あと真理ちゃんはいちごショートが大好物らしいですよ。奢ってあげると好感度UPだと思います。嫌といっても女の子の嫌は好きの意味ですので強引に奢っちゃうのが良いと思います。」
「何だか*強制イベントみたいだな。分かった。そうするよ。」
 さてやるべき事はやった。一時間遅刻して、エロゲーで引かれて、嫌いないちごショートを無理やり奢る。雨宮くんには気の毒だけど奈美ちゃんの頼みを優先させて貰います。



 私は奈美に呼び出されてメイド喫茶に向かった。しかし直前で電話が入り、行けなくなったとの事。そのうえアメリヤに会って物を受け取っておいて欲しいとの事だった。奈美の頼みなので渋々承知した。ところが待ち合わせの16時30分から30分過ぎてもアメリヤは来ないし、いちごタルトは今日も売り切れだしで段々腹が立ってきた。一時間待ったので帰ろうとするとアメリヤがのんきにやってきた。
「アメリヤくん、こっち。奈美は今日来れなくなったから私が受け取りに着たわ。」
「ん?ああ、そう?やっぱり何か変なイベントだなあ。」
 ウエイトレスがアメリヤの注文を取りに来た。
「真理は注文はいいのか?」下の名前で呼び捨てにされたのでムッとしたが帰国子女なのを思い出して納得した。
「結構です。お陰様でお先に失礼させて頂きましたわ。」
「奢るから食えよ。いちごタルト2つ。あれ?いちごショートだったかな?どっちでもいいか。いちごタルト2つ。」
「かしこまりました。以上でよろしいですか?」
「ちょっと待って!いちごタルトあるんですか?」
「はい?御座いますよ?」確かにさっき売り切れだった筈だったが、何かの怪現象だろうか?
「今さっき夕方の分が出来上がりましたので。」
 数分後、念願のいちごタルトが運ばれてきた。美味しかったのでテンション上がってきた。
「あ〜満足満足。それで用事の受け取る物って?」
 これといって渡されたのはエロゲーだった。
「何なのこれ?」
「好きなものは好きなんだからしょうがない!!略して好きしょ。*BLゲームの代表作だ。」
 パッケージには美少年同士が抱き合ってる絵が大きく描いてある。
「ふ〜ん。こんなのあるんだ。…ゴクリ。面白そうね。次に私が借りてもいいかな?」
「いいよ。その代わりといっては何だが…この間の告白はリセット――無かった事にしてくれないか?」
「リセットって無茶苦茶言うわね…思ってたよりも君は面白い奴みたいね。それじゃご馳走様。」私が帰ろうとするとアメリヤに呼び止められた。

「今度の休みに映画でも見ないか?」

――私はいちごタルトを食べてご機嫌だったのでOKした。 ←
――私はいちごタルトを食べれなくて不機嫌だったので断った。



 僕は奈美ちゃんとメイド喫茶に居ます。
雨宮くんと真理ちゃんはその後、どういう訳か映画に出掛けそのまま付き合うことになったそうです。
「何でこんな結果になったんだろう?どこで選択肢間違えたかな?」
「う〜ん。まあ女の勘でそんな気はしてたんだけどね〜。」
「もしかしたら雨宮くんは本当に世界の主人公なのかもしれない。リセットしてやり直したに違いないよ。最近デジャブとかあった?」
「あ〜うんうん。光一くんも結構面白い事言う人だね〜。」
「あ、いやそんなんじゃないよ。てゆーかほんとごめん。力及ばずで。」
「でも〜わたしはやることやったから〜後悔してないよ〜。もう一度同じ場面になっても同じ選択すると思うし〜。」
「うわ。奈美ちゃん、格好良いね…。」思わず本音を口にしてしまいました。
「そんなんじゃないよ〜。」二人で真っ赤になってうつむいてしまいました。

――僕は思い切って告白した。 ←
――僕は思い切って告白した。
――僕は思い切って告白した。

「…あの僕と付き合ってくれませんか?」
「あ〜うんうん。いいよ〜。残り者同士くっつくのも王道だもんね〜。」



*注釈TIPS

*青井 光一
 ヲタ的なことに興味はあるが今ひとつ覚悟が無く踏み出せない一般人。
 夏場になるといつも下痢をしている為、小学校時代のあだ名は「カブト虫」。

*鷹野 奈美
 光一のクラスメイト。親友の真理といつも一緒に居る。その為、背が低く地味に見られがちだがかなり可愛い。ショートカットで垂れ目の眼鏡っ子でヲタ層からの支持は高い。

*長坂 真理
 隣のクラスの女の子。性格は冷静沈着で他人に流されない。少し神経質なところもあるが常に前向きである。家は古武術の道場をしている。
スレンダーな長身で気の強そうな美人である。何かの委員長をしている。

*雨宮 衛
 転校生。詳細は不明。両親は金持ちのようだ。好きなキックボクサーはマモル。
 
*ライトノベル
 電撃文庫や角川スニーカー文庫などに代表される挿絵の入った文字の大きな本の事。大まかなストーリーは自分は他の人間と違って特別な人間であると思い込む主人公が、案の定、凄い超能力者で同級生の悪い超能力者から世界を救うという他愛の無い話。

*一目惚れ
 運命的な出会いとされているがお互いに有る程度以上の容姿が無いと発生しないことが確認されている。

*エロゲー
 海外でもEROGEもしくはHENTAIGAMEとして日本語のまま定着している18歳未満禁止の性的描写のあるゲームを指す。売るほうには猥褻物頒布罪という刑罰が有るが買うほうには特に罰則は無い。またどこからが猥褻物に当たるかの基準は最高裁でも曖昧。多くは自主規制に過ぎない禁止である。

*居候
 古くはお化けだったりネコ型ロボットだったりしたが、近年では宇宙人やエルフなど多様性が増えているが概ね主人公と同年代の女性が複数居候するようである。食費や住民票などが特に問題になる事は無い。

*メイド
 和訳すると家政婦だが、市原悦子はお呼びでないので雨宮は洋館を選んだ。彼の理想通りだとすれば児童労働法か人身売買に抵触する恐れがある。

*機関
 いわゆる世界系にありがちな超能力者や吸血鬼のハーフ等が所属している組織。ショッカー等の古き良き秘密結社と違い世界制服は目指していない代わりに、何がしたいのか謎なままなことが多い。一般人をモルモットと呼ぶのが特徴。

*覚醒
 主人公が物騒な能力に目覚めること。まずは偶然事件に巻き込まれることが必須条件。

*殺人事件
 現実にはアリバイトリックや密室殺人をする様な酔狂な犯人は居ない。

*眼鏡っ子
 フェチズムの一種として眼鏡に興奮する人間がかなり居る事から、大抵の美少女ゲームでは眼鏡を掛けた女の子を入れなくてはいけないという暗黙の了解がある。また近年では眼鏡にはヲタク少女であるという記号性も付加されていることも注目されたし。

*トゥルーエンド
 選択肢型ゲームではマルチエンディングを採用しているケースが多く、ハッピーエンドやバッドエンドなど幾通りかのエンディングがあるのだが製作者が一番書きたかったテーマが入っているシナリオをトゥルーエンドと呼ぶ。とは言っても大きく変わるのは主にエッチシーンである。

*ハーレムエンド
 美少女ゲームなどでは通常は一人の女性に絞らなくてはいけないが、中には複数の女性を同時に攻略して尚且つハッピーエンドになるエンディングが用意されていることがありそれをハーレムエンドと呼ぶ。これは男の欲望のように思われがちだが、せっかく自分の事を好きになってくれているのに振ってしまっては可哀想だからという男の優しさから仕方なくハーレムにしているのである。

*強制イベント
 主にスクウェアのゲームに見られるプレイヤーの意思を無視して進むイベントのこと。

*BLゲーム
 ボーイズラブゲームのこと。ここでは炎多留のようなガチホモなゲームではなく淑女の為の耽美な恋愛ゲームである。思い起こせばパタリロは時代を先取りしすぎ。

いかがだったでしょうか?