民泊ならぬ民博


2023年ももう終わりそうです。人類の半分くらいが年下になってしまいました。ベレー帽ですこんばんわ。

私は割とスタンプラリー系の人で、動物園、水族館やフェリー、100名山そしてモチロン博物館も大きい所は回っています。


東博、科博、歴博ときて、大阪にあるのが国立民族学博物館

いやいやこの4つはマジで男塾の四天王級にマジで手強いです。 

最強の国立科学博物館と戦った時は、開館から閉館までいて尚、見終わらなかったという完全敗北を喫しています。


今回は大阪観光の隠れボスとまで言われているので、この後の予定は入れてません。



民博が厄介なのは、入るまでの万博公園に入場に260円かかるところ、東口から入れば有料ゾーンは回避は出来るのだけど、でもまあ太陽の塔はお金を払っても近くで見たいのだ。



万博公園なので探すと、オランダ館跡地とか、在りし日の姿を想像することが出来ます。万博は流石に生まれていないし、周りにそんな事している人は居ませんでしたが。



科博と違って
民族学は地味なので、予備知識か異常な好奇心がないと多分そもそも来ないと思います。

ちなみに私は愛知の野外民族博物館リトルワールドを訪問済なのと、ゴールデンカムイ、マッドメン、宗像教授伝奇考と色々履修済だったりするのです。

つまり、そのどちらも持ち合わせている……。

この糞デカいわりにニッチ過ぎる国立民族学博物館ですが、やはりというか、そんなに人は居ません。



もっともあの科博や東博でさえ平日常設展は結構空いているので、こんなものなのでしょう。

何故だろう?混んでて充分に遊べないUSJでさえ、世間では博物館よりは上だということか。娯楽ヤバいな。




ああ、なるほど、エントランスからあんまり説明ないまま、いきなり獅子舞とかバロンとか、ガーナの故人の好きなものの棺桶か。まあこの時点で金払ってるし、多分わかる人しか来ないのだろうが、まあまあ攻めてるな。子供はもう怖くて泣き出すのでは?



最初はオセアニアゾーン。ここはまあモアイとヤップ島の石貨を見とけばいいのかな。

この2つは
流石にマリオとピカチュウくらいの知名度だからね?





カナダのトーテムポール、パプアニューギニアのマッドメンの仮面、
ペルーのアステカカレンダー、ホピのカチーナ人形、メキシコの死者の日。

本で読んでいたものやテレビで見聞きしていたもの。まさに知ってる人は知ってるけど知らない人は知らないアイテム達。俺には刺さる。というよりも刺さったものだけ見てる。

逆に現地で見て、何だろうこれ?で興味を持つということは、ほぼ無かったです。というのも何か個別の説明文が凄く少ない。収集年と材質とか用途とか、本当に必要最小限で
面白エピソードが全く書いて無いんですよ。教科書そのもの!

カッチカチだぞ


解説の端末は無料で借りれるので、それを聞けばもっと詳しく説明あるかもだろうけど、
音声は読むより時間掛かるから嫌いなんですよね。

物はオリジナルよりも、レプリカが多かったように思えます。もしくは割と新しい1990年収集とか。あと、末裔による現代作家のアーティスト作品。
トーテムポールも現代作家のアート作品でした。

本物で集めちゃうと、
大英略奪自慢館になっちゃうからな!

オセアニアとアメリカだけで1時間半掛かったのでここからペースアップしました。

食文化テーマ


パンやトウモロコシなどの食文化の説明。 寒い地方でのライ麦や、アフリカのキャッサバ。大航海時代からの新大陸のトウモロコシ、ジャガイモの話。 



あと世界中の農具と漁具。
全大陸分ありましたが余りにも地味。
せめて鵜飼いとか鷹匠みたいな特殊な漁なら面白いんだけど、ひたすら鍬と鋤と、定置網と小舟。

音楽テーマ



チャルメラの分布とギターの歴史など。 

チャルメラってラーメン屋台専門じゃなかったんだ……


導線的には何処からでもいいってことになってますが、多分オセアニア・アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・中東・音楽・言語・南アジア・東南アジア・中国・アイヌ・日本あたりが普通のコース。

アフリカゾーン



エジプトのロゼッタストーンと夢の碑、アフリカのカフェ、奴隷の足枷、ベリーダンス、ガーナの民族衣装。

ヨーロッパは撮るほどのものが無かったので記録が残ってなかったです。
ヨーロッパの文明はむしろ植民地先で歪んで残っている方が多かった。



土着の女神と混ざったブラックマリア像とかそういうの。



アフリカの宗教分布。緑がイスラーム・黄色がキリスト教。大分やってくれたなぁ。



中東系は偶像が作れないため、アラビア文字自体の装飾が幾何学タイルやモスクを飾り立てるのが文化。
土着の迷信も残っていて魔除けのファティマの手とかの邪眼除けが多い。

あとキブラコンパスとムスリム腕時計は唯一ここで知ってググりました。

ベルベル人のテント。 テントの展示は結構ありました。ゲルとか遊牧民系。

南アジアの多神教は偶像が肌の色がカラフルで良い。



ヒンズーの流れは
東南アジアまであって、



マハーバーラタとか、ラーマヤナとかのモチーフ。現在のインドネシアは巡り巡ってイスラムなんだけどねぇ。



フィリピンのジープニー



安住さん知ってる人は知ってるけど、ヤバすぎる。


中央アジアとか中国少数民族




中国ゾーン



アイヌ文化



鮭皮の靴。魚皮で出来ていますが、ナコルルもこれ着けてたの?




日本はどちらかというと殆ど祭祀に関わる事でした。



えげつないのは、ここの映像ライブラリーです。当初はビデオテープだったみたいです。

オリジナル映像が普通に9分位のから2時間超とかあって、何千本もあるのでこれは逆に多すぎて見てる人居なかったですね。

見たいのも結構あったけど、旅行中じゃ見られないですね。長いのは祭りフルとか刺繍の全行程とかの学術的記録なので、



てっきり
国立だし家でも配信で見れるかと思ったけどそんなことは無いですね。現地に行って物理的に見るか借りて見ろって……。



ミュージアムショップは結構充実してますし、独自性強いです。世界の珍品土産が手に入ります。
公式のガイドブックはページ数の都合なのか、学者が書いているから堅いのか全く面白みがないです……。

とにかく広かった……。大体4時間くらい掛かりました。解説が面白かったら17時でも終わらなかったな。
ちなみに平均所要時間は90分。総距離は5kmです。

うーん、どちらかというとここに来るには、まだまだ私の知識量が足りなかった……。 詳しければ詳しいほど返ってくる博物館だわこれ。動物園でもゾウがちゃんとインドゾウ、アフリカゾウの区別がついてくるし、なんならあちこち行きまくると、スマトラゾウとかマルミミゾウとか知識も増えてくるものなので、もっと本を読まなくちゃいけないなと痛感しました。

間違ってもデートやファミリーで来るところじゃない。

ここは出来れば山田五郎とおぎやはぎと一緒に回るべきだわ。


もし、もっと客を呼びたいのなら下世話な話、アマゾンの干し首と、鳥葬の展示をだな……